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ニート的な自分を構成する要素

ひろーり

 おはこんばんちは。ひろーりと申します。只今2024年6月29日の1時18分。ニーマガ原稿の締切は2024年6月30日。締切が明日やっていうのに今になってようやっと書き始めた。2か月ほど前にニーマガ冊子の募集があってから、書こう書こうとは思ってはいたものの1文字も書いてなかったし、こう書いてる今も何を書こうか全く決まってない。うだうだと自己紹介文を書くよりも今の書き出しでなんで俺がニートマガジンにおるか分かるやんな。

 うーん。何書こかなー。自分のニート的なとこの自分語りでもええし、『NHKにようこそ!』とか『魔の山』みたいなニート的作品についてオタク丸出しで書くんでもいいし。まあなんでもええか。ダラダラとした冗長な文章になっちゃいそうな気もするけど。ある意味それもまたニート的やんね。きちっと自他の決めたレールを歩ける人間じゃないわけやし、俺なりに書けるものを書いてくしかないよな。寛大な心をお持ちの読者の皆さん、しばし付き合っていただけたら幸いです。

 何から書こう。とりあえず俺の自己紹介をやりつつ俺のニート的内面と向き合ってみるかな。えー、私ひろーりと申します。現在大学生です。ニートちゃうんかって思った方もいるかもしれません。まあでもほとんどニートみたいなもんです。親の脛を齧るだけ齧って生活してますし、成績も超低空飛行です。留年してないのが奇跡的な状況です。昨年の後期はほとんど落単しました。今1浪1休学の3回生なので同年代の子達はもう新卒で働いてます。旧友と遊びに行くのが少し肩身が狭くなってます。一応週1以下でバイトに行ってますが、しょっちゅうサボったり遅刻したりしちゃってます。クビになってないのが不思議です。

 なんでこうなったんやろなー。生まれつきな気もするし。今までの人生経験とか触れてきたコンテンツのせいもするなー。ちょっとだけ昔を振り返ってみよう。元々の性格はお調子者で目立ちたがりややった気がする、今もそうかもしれんけど。クラスでも結構騒ぐというかはしゃいでるタイプやったな。反面ってゆってもええんか知らんけど、基本不真面目というか真面目にやるのがやろうと思っても無理なタイプやったな。学校はしょっちゅう遅刻してたし、宿題も全然出してなかった。小中では宿題ちゃんと提出してた記憶がほとんど無いし、高校も1回めちゃくちゃ怒られてから何とか出すようになった。この学校に適応できん感じは今もそうなんよな。

 他にも色々やばいというか社会不適合な特性がある。怠惰、先延ばし癖、依存症になりやすい、時間にルーズ、家事が苦手、風呂も毎日入れん、というか生活するのが生きてくのがめんどいしんどい等々ね。そこらへんのが悪さして大学生活が去年の後期あかんくなったな。授業も後半はほとんどいかんくなったしテストも飛んだ。じゃあ何してんのってなったら家で引きこもって延々ネットサーフィンかゲームやってるみたいな。飯は1日0・5食、風呂にも入れん、気絶するように不規則に寝るって日々を送ってたね。こう書いたらマジでやばいな。

 それが親にもバレて、こいつやっぱやばかったかーってなって、今は母親と半分二人暮らしみたいな生活をしてる。母が仕事が休みの日に下宿まで来て飯作り置きしてくれたり家掃除してくれたりみたいな感じ。大学のことも課題があるのに気付けんかったり履修登録しくるみたいなことがあった。それでメールを母も見れる設定にしたり俺の予定も家族のTimeTreeに入れたりして俺のタスク・スケジュールの管理を母もできる状態にしてる。まあ別に任せっきりってわけじゃなくて、キャパにちょっと余裕が出てきたから母がおらん間は俺も頑張って大学生活送ってるよ。自分の面倒を自分一人で見るってマジで大変、俺には無理やったわ。今の状況もお前何歳やねんって感じやけど、まあこれが僕なんでねー。今いる自分を受け入れて、何とかやってくしかない気がするな。自立って立派なことやし目指すことなんかもしれんけど、頼れるなら適切に人に頼るのも大事な気がする。

 ただまあこういう俺の社会不適合な特性を列挙しても俺のニーマガにおる理由の説明には不十分な気がするな。なんで俺がニート的なコミュニティにおるんかとか、どう俺のニート的内面が育まれてったかを書いた方がいい気がする。

 やっぱネットは外せんよな。特にニコニコとか2ちゃんねるとか。俺が最初にネットに触れたのは5歳位。まずおもしろフラッシュから入って、そん次にドナルドとかエアーマンとかをニコニコで見始めた。その動画の中に「2ちゃんねるの〇〇集」みたいなまとめ動画があった。ニート、非モテ、ぼっちみたいな社会的には負であるとされがちな属性を持った彼らが屈折した感情や辛い経験を「リア充爆発しろ」とか「カーチャン」みたいな感じでユーモアを交えて吐き出しつつ慰め合って戯れている。最初は見るだけやったけど、俺も次第にコメントを打ったりスレに書き込んだりしてネットのコミュニティに参加していった。あれが俺のニート的原体験やった気がするな。

 小学校中学年の頃までは皆クソガキで授業で騒いでるやつも多かったけど、高学年以降になるとなんか今までバカしてたやつらが急に大人になり始めた。言葉遣いもなんか違うし授業も真面目に受け始めるしで色々内面の変化が見られた。対して俺はそういう変化についていけへんかった、ずっと内面がガキのまんまやからめっちゃ戸惑った。中学に入ると部活が皆おんなじじゃなかったりそもそも進路違うかったりなのもあって余計に今までつるんでたやつとも疎遠になった。それで陰キャが加速してネットに籠もるようになったな。

 中学以降はなんというかネットの民の戯れが自分事として捉えられるようになったから、より影響を受けるようになった気がする。別にネットに限らんくて太宰の『人間失格』や漱石の『こころ』、滝本竜彦の『NHKにようこそ!』とかを読むようになってたな。これらのコンテンツを通して、俺の暗い内面が徐々に醸成されてった気がする。

 やっぱいいもんですよ、コンテンツって。消費する中で、暗い自分についてメタで見る、自分の暗さについての思考を深めることができる。話はすごい変わっちゃうけど、この本を読んだり、今みたいに文章を書いたり、人と話したりしていく中で暗い自分と付き合うっていうのはめっちゃ大事やと思うんです。社会の「ふつー」に対してズレを感じるやつらは、自分を守るために色々しやなあかんと思うんです。じゃないと自分が嫌いになったり合わへんのに頑張りすぎたりして、最悪の場合自殺か過労かなんかで死んじゃうでしょう?少なくとも寿命は縮むよね。

 近代のコンテンツに触れるのもええと思うけど、俺はやっぱニート的マインドを持ってる人には仏教がいいと思うなあ。何がいいの?って聞かれたら、俺にとっては仏教の一番いいのは聞いたら楽になる、もしくは楽になる方法を教えてくれるとこかなー。仏教の考え方って基本的には「俺等って遺伝的に刻まれた本能が社会とバグって苦しんでるよね。依存症や、コンプレックス、戦争とかみたいな。そういう苦しみについてちゃんと知ろう。あとお釈迦様が多分この世で一番楽なメンタル持ってる人やから、お釈迦様みたいになって楽になろう。そのために瞑想とか座禅とか念仏みたいなことも実践してみよう。」って感じやと思う。とにかく自他を楽にするために考えられたのが仏教やと思うんよな。

 仏教の中で特に好きな教えは「空」かな。「世の中に絶対的な物事ってないよー」って考え方。例えば、ニートっていうのも国が勝手に定めてるだけ。とある社会人も、誰かの子どもやし、友だちかもしれんし、親や恋人かもしれん。何かについてのラベリング、属性は絶対的、不変なものじゃない。これってめっちゃ楽な考え方じゃない? 俺はこれ聞いたときめっちゃ救われる気持ちになった。俺って怠惰で、全然ちゃんとしてないやつって思ってるけどそんな俺も「空」なんや。「ダメな俺」って存在も絶対のものじゃないんやって「空」を知ってなった。そっから自分についての否定的な考えに固執するのが減った気がする。というかしんどくなりすぎるくらい何かにこだわりを持つのが減った気がする。

 という感じで仏教はいいっすよー。他にも「一切皆苦」とか「道」とか「悪人正機説」とかね。楽になる方法もいっぱいあって瞑想、座禅、念仏、法華経、法話などなど。そん中で自分に合うなーってものを自分なりに選んでったらええと思う。そうやって勉強したり実践する仏教はすごい楽しいし楽やから。それにニート的というか社会の通俗の倫理になんか違うなって感じてる人に合う思想が仏教には多いと思うよ。

 みたいな感じでええかなー。うわー、俺にしては結構書いた。書き方というか言葉遣い大分砕けすぎて変やし、構成グチャグチャで喋ってる内容も統一感無い。冊子に出すような文章じゃないかもしれんけどまあえっか。書いてて凄く楽しかった。自分のニート的な内面と向き合って、思いっきりニートな文章を発散させて書くのは凄い気持ちが良かった。今までやろうとは思ってたけどやってなかったことが、ニーマガの縁で勢いをつけて行動に移せて良かった。

 こうして書く機会が頂けたこと、それにニーマガにいられること、そもそも生きていることに感謝したいな。俺がこうしていられるのは本当に俺だけじゃなくて、家族、大学の友達や先生、ニーマガの人達、ご飯を作ってくれる人、ご飯になっている命、というか森羅万象のおかげやと思う。俺は一人じゃダメダメで生きてけへんけど、周りのおかげでこうして生かされてる気がする。最後に今読んでくださってる方へ。あなたがこうして読んでくれたことにも本当に感謝したいです。これを読んでくれたことがあなたにとっても良かったならば、これ以上嬉しいことはないです。