オレの文章以外面白くない
無職詩人
完璧な文章などといったものが存在しないようにナントカカントカって村上春樹が書いてるのは知ってるけど作品は読んだ事がない、文章を書くのに他人が書いた長い文章は読めない。というか本当は書いてない、客のあなたに向かって心の中で直接喋ってる。いつも通り。だけどノーベル文学賞は呼吸するようにオレが先に貰っとく。
ここは不完全なホモサピエンスが作る不完全な世界。唯一出来ることは自分の不完全さを隠す事。尖ったタイトルで人目を引こうとする、先に自己開示して人から愛されようとする。愛したい時に愛されず、愛されそうな時にそれを気分で無視してしまう。愛だけがこの世界なのに。それがオレの人生。世の中にばら撒かれた罵詈雑言の中に必ずあなたにピッタリなモノがある。何もしなくても人々が勝手にソレをあなたに届けてくれる。安心安全、悪口の配達はみんな無料でやってくれる。人類皆ワケあり物件だ。あなたがこの文章を読んでるのにもワケがあるし、地球が割れるくらい眉間にシワを寄せた社会人が生きた心臓を小脇に抱えながら、死んだ目をして電車に乗っているのにもワケがある。オレがこんな事になってしまっているのにもワケがある。
無職ニートビジネスで金を稼げる人間もいれば稼げずに家賃滞納する人間がいるのは知ってる。体感してる、体験してる。貧乏ネズミ講の事も知ってる。もう文章が始まってるのも知ってる。でもちょっと待て、その前にまたオレを可愛がりに来たのかよ? 犬みたいなモノ達。中毒性があるのは知ってるけど落ち着けよ、まずお前がな。この時もオレはまだ生きてた。とりあえず話を4年前に戻そう。
「ハロウィンの日にチン毛を剃って出かけたらブスとセックスした話」というタイトルでネットに公開した自分の文章を読みながら2万円アパートの部屋で真夜中にケラケラ笑っていた。自分の文章が面白過ぎたからだ。こんな素直に曝け出した文章を読んだ事がない、初対面でセックスした女をブス呼ばわり。道端のホストなんか全員死ねばいいと叫び。ビジュアル系を聴いてる奴なんて海底に沈むタイタニックくらいセンスが悪いと非難。ハロウィンの日に仮装もせずに街へ繰り出し美味しい蜜だけ舐めようとする無職。その結果苦い汁を啜った。
みんなが本当は思っている事を正直に書いたんだからみんなが笑うに決まってる。代わりに本音に触れてあげてるんだからみんなオーガズムに達するに決まってる。ある程度数字が伸びて初めて500円の投げ銭を貰った。脳汁が出た。夜中に奇声を上げた。意図的に隣人のジジイを中途覚醒させた。文章を書いて人から金が貰える事なんて人生で1度もないと思ってた。事件だ、心が3.11並みに揺れた。あの日オレは横浜の高層ビルで事務所移転の日雇いバイトをやってる。お前はいつの時代も日雇いをやってるなS級無能野郎が。ビルがムチみたいにしなっているのを体感した瞬間。あ、やっぱり人生ってこういう感じでいきなり終わるんだ、と思ったが偶然死ななかった。まだ生きてる。これはただの文字じゃない、生命の証であり犯行声明。無思想のプロパガンダ。あなたと同時期に宇宙に存在してるという奇跡をカタチにしたモノ。歴史的一瞬の相互的やり取り。熱された心による反射的ラブレター。真夜中のクイック入力。心音で描いたドット絵。無料で常飲できる上質な水道水の副作用。唾液の如く無意識に分泌される思考の寄せ集め。現代アートに見せかけた本物のゴミ。誠意を持った破壊行為。1人レジスタンス。キッチンでロビー活動。陽の当たらないリアルアンダーグラウンドな部屋から世界への贈り物。読むカフェイン錠500㎎ 。今、あなたの眼球からオレの血液が侵入してる。無職の魂がヴィンテージのiPhone6sから送信されました。
芸人が薬物をやらないのは舞台でウケた時のハイがソレを上回るからだという信憑性の薄い古びた説がある。オレはインターネットの舞台でそのニューロン報酬を受け取ってしまった。病みつきになった。
毎日文章を書くようになった、作家を目指すとかそんな大袈裟なモノじゃなく無職のオレにとってはカネのかからない最高の趣味を見つけたという感覚があった。頭に浮かんだ断片から何から文字にした。また読者を笑わせたい、挑発したい、不快にさせたい。文才があるなんてハナから思ってない、下手か上手いなんかどうでもいい、クソくらえ。問題じゃない。支離滅裂を詩と言い張った。またはちゃめちゃな文章を人に読ませたい。金も欲しい。そして認めろ。
「文才ありますね」の一言で終わらされる文才なんか生ゴミと一緒に捨てろ。毎日更新しますと言って他人のテーブルにクソを提供するB級テキストテロリストも引退しろ。退屈な布教も止めろ。謎のエゴで人に迷惑をかけるなよ、オレはかけ続けるけどな。
読者のフォロワーの女が家に来て遊んだ。眠剤をがぶ飲みして、ラリった状態で街を歩く。西成ではしゃぐ。夜中に走って売人の元に向かい大麻を購入して部屋で吸って全財産が無くなって金を借りた。アメ村三角公園で記憶喪失しながらヨダレを垂らして牛丼を食べる。クラブで馬鹿みたいにレッドブルウォッカを飲む。そんな事も全て文章に書いた。読み直してまた夜中にゲラゲラと笑った。翌日にその文章を送りつけた「面白いでしょ」偽ビートニク文学。気弱アウトサイダー。
眠剤のせいで記憶がバラバラになっていたのでそのまま書いたら映画メメントのようだと評された。はじめまして、本物のクリストファーノーランです。
酔っ払い過ぎて警察に捕まった夜の事も。精神病の兄がマンションの5階から落下した事も。地下のBARで「12時間効くよ?」とLSDを勧められたことも。腕に注射痕だらけのババアに「あんた私とセックスしたいの?」と聞かれた夜の事も。日雇い現場で和彫ジジイから「こんな事もできねえならその辺のホームレス呼んだ方がマシだ」と怒鳴られた事も。卒業式で特攻服を着ていた不良も今では結婚して子供が3人、長期的不良戦でオレが不戦勝した事も。フォロワーのブス女に会ったら狙ってもいないのにやたらと警戒された事も。インターネットで友達が欲しかったんじゃなくて客が欲しかっただけだったと気付いた事も。この文章の原稿料ギャラ6000円がもう2ヶ月前にスピード送金されている事も。
世界一親父を嫌っている。日本育ち外国籍、日本人と呼ばれたり外人だと呼ばれたりする。定職を完全に諦めて死ぬまで無職をやろうと思っている。全ての体験、そして頭の中の妄想やアイディアが全て文章になり得ると気付いた。
そしてこんなバケモノが生まれた、彼はリアルだが一面でしかない。肥大したエゴと悪戯心。クラスの端っこの静かな奴に絵を描かせたら人体の断面図しか描かなかった、みたいな事。そもそも本当にリアルな人間なんて存在しない、他人にどう思われるかを気にしない人間はいない。人間は常にフェイクとリアルが入り乱れる。他人にも言えないような本当の不安は悪夢としていつも自分の脳内だけに自動再生される。悪夢サブスクリプション月額0円。人体もアバターでしかない、人は顔を変える。別のコミュニティ同士の友達が出会った時のあの違和感。彼女の友達に会った時の彼女の妙な落ち着きの無さ。
さあ、前半の集中力を切らさずに後半もどうぞ。それともサンプル動画だけ楽しむタイプかい? その前に一句。生まれたてチンポは無価値だけどもね、マンコがあればフェラーリ乗れる。
自分の事をニートと思った事がない。ニートはゲームして引きこもってるオタクのイメージがあった。しっくりこない、オタク要素がなけりゃ不良要素もない、不良からもオタクからもキレられた事がある。未来であなたから怒られる事も既に決まっている。ギターを弾くようになったらゲームを卒業した。その後、無職になったらギターも卒業した。25万のギターは夢と一緒に売り払った。いつかの家賃を支払う為に。カジュアル家賃滞納。透明ネクタイ着用。フォーマル債務者。ノービジネスパーソン。逆起業家。自宅でピボット。大小銭持ち。消えた保険証。年金全額免除。怠惰過ぎて申請もできない生活保護。起床後に非課税世帯給付金でビール。無職の代償。大手消費者金融から追われる身。安心してくれ、返す金が無いあなたに金貸しは何も罰を与える事ができない、オレがその証拠。脱税した芸能人を恐喝するオフィシャル国ヤクザがあなたの自宅を訪問する事もない、今頃国会ではジジババ乱交生放送中。首に巻いたロープを解いて静寂を保ちなさい、もしくは黄色い線の内側にお下がりください。じゃあ、お前は陽キャか?パリピか?と聞かれたら「ハードコア陰キャ」と答える。ノーマル陰キャは3人くらい友達が居てそいつらには心開いてるイメージがあるけどオレにはその3人も居ない。学生時代に友達っぽい奴等もいたけど結局その友達も友達いない要員の友達。大人になってから全く行く必要の無い同窓会にマゾヒスト的に参加する事によってその事実が発覚した。コイツらを昔から知ってるというだけで本当は誰一人として仲良くはなかった。必要も無かった。学校は人々が思ってるよりも複雑で恐ろしい施設だ。教師は偉そうにしてるだけの人生初心者だった。スクールカーストよ、永遠に。
自分の文章は面白い。当たり前の事だ、自分の興味がある事を自分は書くのだから。いや、当たり前の事ではない。こんなの病気だ。エゴイスト病。流れるナルシズムプール。エゴを塗りたくったトースト。ペンは剣よりも強し。いや、全然みんなの剣が強くない。大量生産された同じ形の剣ばっかりだ。アンディウォーホルも頷いてる。すべてbotに決まってる。AIに決まってる。情報過多だ。話にならない。そんな事より誰もペンを握らなくなった。指だ。そのうち指も使わなくなって意識と世界の違いもわからなくなって宇宙が全惑星を射精して全てが水っぽくなる。オレは漢字が書けないので助かる、自分の手で文字を書けと言われたら文章量が十分の一になる。義務教育をしっかり受けた上でジョブズに感謝。数も数えられない。高校の数学で2回0点をとった。ギリギリの高卒というのは堂々とした中卒よりも悪手だ。何度も2桁の数を数え間違えて日雇い現場から帰らされた。働けないし人間関係も苦手。生きてれば勝手に大人になると思ってたけど大人になれなかった、このまま生きてるだけでやべえジジイになる事が確定してる。幼稚だと言われてもう遅い、人間というのは何事においても必ず手遅れになる瞬間が訪れる。手遅れがそのまま文字になった退廃的古典がこれだ。
みんないつも同じ事を言ってる、なんどもネチネチと。他人に助けを求めてる。そして必ず嫉妬と憎悪が含まれてる、怖くてしょうがない。人の文を読みたくない。影響されたくない。他人に左右されたくない。心の平穏を保ちたい。ああ、自分の文を人に読ませるのも怖い。恐怖と歓喜は紙一重。でももうそんな事は言ってられない、インターネットストリートに立って朗読を続ける。
切羽詰まった尖り方。そう、あなたの言う通り。オレは今精神がヤラれてる、そんな夜。なぜかというと明日初めての日雇い現場に行くからだ。食えない詩人。一人暮らしの無職が生きていく為の最低限のカネを稼ぐ必要がある。有料奴隷。絶体絶命のアーカイブ。資本主義に掴まれながら動き続ける心臓、ネチネチと。頑丈なのか脆いのか判然としない生物人間。急遽用意されたこの言葉による舞台。勝手に動き勝手に止まる。方角は変わり続ける。みんなは他人に助けを求めるけどオレは自分に助けを求める。義務教育では教わらない事実、あなたの成功なんて誰も願ってない。過去の人類が神へ生け贄として人類を差して出していたように、我々は自分の人生を紙幣に差し出している。
無職を極めるには社会人が強制的にやらされてる労働的なモノを自発的にやる必要がある。自ら脳汁を出す訓練。無職は静かなるデモであり各々に与えられた我流の自己啓発。拡大した自分の顔面が置かれた密室に放たれる自分自身。金の泉が湧かないオアシス。アダルト不登校。金が無くて暇という地獄。自主エクストリーム貧困。強制的に足るを知る事から始まる消極的ヘルシーライフ。マック食うより卵5個。勝手に減る腹の肉。ハーバード式無職ダイエット。たった1人六畳の空間で行える世界征服、それが無職。汝、隣人の無職を愛せよ、じゃなきゃ刺されるぞ。しぇしぇしぇのしぇー。陰謀論でも宗教でもスピリチュアルでも自分が幸せになれるなら信じれば良い。どうせ死んだら全て終わり、今が大事。教祖という詐欺師の言葉も狂信すれば成功する。信じた結果幸せにならなかった場合は教祖の自宅を爆撃し、自分自身がグルになるという手法もある。爆弾はガソリンと冷凍オレンジジュースがあればキッチンで作れる。それくらいの知識は持ってる、映画で学んだ。人々は狂気に興味がある、狂気が代わりに集客してくれるしカネになる。フィクション仕立てなら特に。フィクションが人々を無罪にし、私は悪趣味じゃありませんという仮面を被せる。1人残らず悪趣味なのに。
人間は地球に放たれたちょっと頭の良い猿なので本当は基本的には何をしても良い。犬みたいな犬じゃないモノだと思ってもらっても構わない。罪と罰なんか後付けでしかない。ドストエフスキーは借金で首が回らなくなって小説を書いてた、だから無駄に文字量が多い。文字量で報酬が決まる。犬が痴話喧嘩したらどう思う? オス犬がキレて顔面に血管を浮き立たせて「オレはあのメス犬を殺す」と物騒な事を言っていたとしたら? ソレはもはや物騒じゃないよな。コメディだよな。恋愛リアリティショーだよな。デスハウスだよな。C級ディズニーだよな。誹謗中傷でまさに犬死するよな。そう、結局人類のやってる事なんかほぼコメディ。人類が増えすぎた結果、膨大なエネルギーが必要になる。そして原発を稼働させるが、人類はミスるのが持ち味なので勿論ミスる。そして自身達に健康被害をもたらす。コメディだろ? セシウムはどこへ行った? あの日の汚染水で乾杯でもしないかい? ミスだらけのホモサピ同士らしく、母なる地球と同じダメージを受けよう。
長年繰り広げられた家賃滞納戦争に終止符が打たれようとしている。なんだか寂しい気持ちもある、わかりやすく言うと「エモに溺れてる」2万円アパートがエモで浸水してる。家賃滞納がオレのアイデンティティの1つだった。スケボー少年が深夜の駅前で滑ってる時も家賃を滞納してた。経済的崖を滑り散らかしてた、華麗なるキャピタリズムスリップ。1週間しか付き合わなかったカップルが花火を見てた時も家賃滞納した。札束片思い。「あんた地獄に落ちるわよ」と人々に言い放った有名占い師も、オレにだけは「あんた家賃滞納するわよ」と言い放った。タロットカード代わりに届いた請求書。ニュートンが重量を発見した時もゴッホが自分の耳を切り落とした時もニーチェがワーグナーに好きな女を寝取られた時も、マイルスデイビスがジミヘンドリックスとセッションでE7♯9コードを鳴らしてた時も家賃滞納をしていた。ウィリアムバロウズがカットアップしてた時も、チャールズブコウスキーが死をポケットに入れていた時も。ジョアンジルベルトが3月の水を奏でた時も。オレは今本当に感動している。いや、勃起の話はしてない。感動の話をしている。今日くらいはビラビラと海綿体の事は忘れてくれ。人類はセックスで生まれセックスで大病になる、どちらにせよ大事件なのは間違いない。偉大で卑猥な祖先達に感謝。
詩人の言う事なんかに本気で返答しないでくれ。解読なんかやめてくれ。詩には誤読しか存在しない。破綻してる前提でしか書く気がないのだ。辞書なんか引いてない。人類は筋なんか通すことができないのにその幻影を追いかけてる。病気だ。夢の中で沢山の被害者を見た、1人残らず全員クソ不細工だった。神も悪趣味なのでセンスの無いクソ不細工と無能をわざわざセットで誕生させる。「人生も遠くから見れば喜劇だよ」と反出生主義グループに言ってボコボコに殴られた白黒変形チャップリン4K。自分が死んだ後の世界の事なんかもクソどうでもいい。この世のレビュー。星一つ。
女の文章も読んでられない、男の闇に比べて女の闇は深過ぎる、闇は普通に生きてるだけで充分に足りてる。死にたくなる時間なら充分ある、目的は常に闇から脱し続ける事。リアルで突き刺すのをやめてくれ。ロマンに溺れて死にたい。他人の恋愛に興味なんかない、黙ってよろしくやっとけ。主語がでかいと指摘する主語がでかい人々。他人の自分語りをバカにするという自分の思想語り。誰だって自分だけは特別。自分愛を隠すのはデフォルト。自殺する成功者なんてのも見てられない、成功者は24時間365日不眠不休で毛穴の閉まり切ったツルツルの笑顔を絶やさず希望を見せてくれ。不成功者からのメッセージ。ニートを批評するニートの文章も読んでられない。お前は何様だよ、神ニート。ゴッドニートか? 無職業界の頂点お疲れ様。
あぶない、誰かがよく書くクソつまらない「文章についての文章」を書きそうになってしまっていた。文章を読んできていないし、文章の事を何も知らない。
それでも文章についての文章が全く面白くない事は知ってる。文章なんて存在しない、存在するのは心の声だけ。喋る事がないのに口を動かしても言葉が出ないのと同じで心が無音なら文章も出てこない。その声が鳴る限りオレは喋り続けるし文章を書き続ける、リズム。飛んで火に入る2ちゃんねらー、こうやって多少とっ散らかってたとしてもね。残された出来る事がもうソレしか無くなったから。価値なんか人々がリアルタイムで勝手に決める、どうせ賛否はもう出てる。それでも何かを表現したい。そして自分がコンテンツになるという自惚れと半信半疑と貧乏性で進む。オレは不満を抱えてる。自分が損してきた分、人の心と社会をかき乱したい、やらかしたい。この舞台でもソレがしたい。だからもう一度本心から言おう。オレの文章以外面白くない、ご覧の通り。さあ、自由に可愛がれ。犬みたいなモノたち。